敷地利用権と敷地権について

(1)敷地利用権

区分建物の所有者が持っている敷地の権利(所有権や地上権など)を「敷地利用権(しきちりようけん)」と呼びます。 敷地利用権」とは、専有部分を所有するための建物の敷地に関する権利をいう。』(区分所有法2条6項
通常の建物であれば、建物が建っている土地(以下分かりやすくするため敷地と呼びます)と建物はそれぞれ独立した不動産として別々に登記されていますので、例えば、一戸建て住宅とその土地を所有していた人が、土地だけを売却したり、建物だけを売ることもできます。 しかし、マンションのような区分建物の登記簿には、その敷地に関する権利(敷地利用権)も一緒に登記されていて、専有部分と敷地の権利(敷地利用権)は分離して処分することができない扱いとなっています。 つまり、マンションを売り買いすると、その敷地の権利(敷地利用権)も一緒に売り買いされる仕組みになっているのです。

(2)敷地権

敷地利用権の内の一定の要件を満たすもので、手続法である「不動産登記法」上の考え方です。

『建物又は附属建物が区分建物である場合において、当該区分建物について区分所有法第2条第6項に規定する敷地利用権(登記されたものに限る。)であって、区分所有法第22条第1項本文(同条第3項において準用する場合を含む。)の規定により区分所有者の有する専有部分と分離して処分することができないもの(以下「敷地権」という。)』(不登法44条1項9号)『登記官は、表示に関する登記のうち、区分建物に関する敷地権について表題部に最初に登記をするときは、当該敷地権の目的である土地の登記記録について、職権で、当該登記記録中の所有権、地上権その他の権利が敷地権である旨の登記をしなければならない。』(不登法46条)とあります。

簡単に言うと 敷地権は、①土地の登記記録に登記された、②敷地利用権で、③区分建物である建物又は附属建物の専有部分と分離して処分することができないもの、を言います。
(3)①土地の登記記録に登記されない(出来ない)敷地利用権(=「使用借権」)や、②分離処分が禁止されない敷地利用権(=区分所有者が敷地を「共有」せず、棟割長屋等で見られる様に土地を細分化して単有している場合等)などは、敷地権ではありません。 『敷地利用権が数人で有する〔=共有である〕所有権その他の権利である場合には、区分所有者は、その有する専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分することができない。ただし、規約に別段の定めがあるときは、この限りでない。』(
区分所有法22条

ちょっと難しくなりましたが、要は、敷地権という登記がされていると建物と敷地に関する権利をそれぞれ別々に処分する事が出来ませんよということです。このような仕組みが出来たのは別々に処分する事を許すと、より複雑な権利関係が発生してしまうためです。

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